アルマイト
- 重厚なダークトーンから発色の良いビビットカラーまで多様な色彩を実現
- 室内はもちろん、屋外用として優れた耐候性、耐食性(紫外線、酸性雨、塩害)
アルミニウムは、空気中に放置すると薄い酸化被膜を形成します。このように自然に形成された被膜は非常に薄く、使用環境によっては腐食してしまいます。アルマイト処理を行うことで、腐食防止・耐摩耗性・絶縁性などを得ることができます。
- アルミニウム表面に電気分解により生成させる酸化皮膜
- ポーラスに有機染料を浸漬させ、任意の色を付けることが可能
カラーサンプルのように、他社では出せないカラーも「Almillion」では実現可能です。
アルマイト処理の原理
アルマイトの処理原理ですが、「希硫酸水溶液」の電解液に電気を通電することで、製品となる「アルミ」をプラス極(陽極)に付け、マイナス極(陰極)にカーボンなどを使用します。
ある一定の電流を流しますと、アルミ表面に酸化被膜が生成され、陽極側のアルミに被膜ができるため、「陽極酸化被膜」と呼ばれます。
アルマイト被膜のイメージ
アルマイトは、6角形の「被膜セル」が特徴で、アルミ表面から微細孔が生成されます。孔は、「ポーラス」と呼ばれ、周囲に「バリアー層」が形成されます。「多孔質層」が成長し、伸びてゆきます。通常のアルマイト被膜の厚さは、約10μm程度です。
アルマイト被膜の拡大図
拡大図にありますように表面には、無数の孔が空いております。被膜破断面の底部には、孔の周りにある壁をバリヤー層といいます。
アルマイト被膜の生成過程
- アルミニウムは空気中で被膜を作ります。1円玉が腐食しないのはこの自然被膜が生成されるためです。
- 電解溶液の中でアルマイトを生成し始めると最初にバリヤー被膜が成長します。
- 被膜が更に成長し、孔が発生します。
- 被膜の溶解と生成が起こり、孔が伸びてゆきます。
- アルマイト被膜が生成した状態になります。
アルマイトの染色過程
被膜(ポーラス)の孔は空いたままの状態です。空いた穴に染料を入れます。孔の中に染料を入れた後は、「封孔処理」をしますと被膜が膨張し、蓋がされて、染料は孔の中に閉じ込められます。「封孔処理」とは、アルマイト被膜を生成した後に、開いている孔を「煮沸」や「熱蒸気」により孔を閉じる処理です。アルマイト被膜自体は「無色透明」なので、染料の色味は鮮明となります。当社では、本技術により他社では出せない鮮明な色の再現も可能です。
半硬質アルマイト(摺動性耐久改善)
アルマイト処理には、「通常アルマイト」「半硬質アルマイト」「硬質アルマイト」の加工法があります。「半硬質」「硬質」によりアルミ表面硬度がUPし、耐摩耗性も向上致します。但し、一般的には硬質化することにより加飾アルマイトという面では、色再現などに問題があります。
当社の「半硬質アルマイト」は、「半硬質」の特徴である、表面硬度のUP及び耐摩耗性の向上が通常のアルマイトよりも優れつつ、加飾という面の色再現性に関しても当社独自の加工条件により、他社では出せない鮮明な色再現が可能です。
アルマイト被膜のイメージ
アルマイト被膜比較表
処理 | 一般的な膜厚 | 硬度 | 比較(鉄Hv400) |
---|---|---|---|
通常アルマイト | 10~15μm | Hv200 | 鉄より柔らかい |
半硬質アルマイト | 20~40μm | Hv300~400 | 鉄と同等カラーアルマイトが可能 |
硬質アルマイト | 50μm以上 | Hv400程度 | 鉄より硬いがカラーアルマイトが不可 |
カラーアルマイト事例
温度計パネル
デジタルカメラケース
石鹸箱サンプル
アルミリオン 半硬質アルマイトの特徴
- バリアー層が通常より厚い
※耐摩耗性有意 - ポーラスが小さくセル壁が厚い
※表面硬度に優れている - カラーアルマイト
※硬質では一般グレー色だがその他カラー色も可能